今回紹介した分析機能へ至る経緯【後半】


【前回のまとめ】

 社労士業運営において、創業2001年以降、採算の分析や業務分析といったことを行おうとするが、うまくいかず、右往左往していましたが、2020年コロナ状況下の業務過多と退職等が重なり、やはり低採算性の改善を行うため、分析が必要であるという状況となった。このことからkintoneの機能を使った開発を開始した。

 

【開発においての苦労①】

 kintoneにて職員毎に各顧客毎各作業毎の時間を登録する事で緻密な分析が叶う。また各作業の工程を管理することで、作業の抜けや漏れをチェックすることができる。こういった背景から、業務上で発生しうる申請業務の工程マスタ(工程テンプレート)を作成しました。現状、約170種類登録がありますが、初めのうちは、利用しながら「これもか」「あれもか」と地道に登録を行ってまいりました。まず、この整理が非常に大変でした。

 

【開発においての苦労②】

 また、まだ未完成状態のタスク管理の機能を職員に利用して頂きながら改善していくという工程は、職員にとっても、システム構築者にとっても非常にストレスを感じていました。(正直なところシステム構築者は、「業務がこれで改善する」という気持ちが高く、トップダウンで行っていましたので職員の不満等は聞こえてきませんでしたが、きっと職員は、ストレスを感じていたものと思います。)

 

【分析機能の完成】

 土日や空いた時間を利用して、工程テンプレートや機能改善を続け、何とか、各作業タスクの登録と、日報の登録が形になり、合わせて売上データを販売管理システムからインポートする事で、各顧客の作業単価や、各作業タスクにおける平均作業時間等が具体的に見れるようになりました。2020年に開発を開始して、2022年になっておりました。

 

【不採算案件】

 実際に各顧客毎の作業単価が毎月集計して確認が出来るようになったら、次は不採算案件の改善に着手をしなければならない状況が待っています。

 

【その時点の当事務所の状況】

 当事務所においてコロナ状況下2020年の社労士業業務増大時期に、主力従業員が退職となったため、事務所内のリソース上、顧問契約などの解消を「こちらから顧客に通知する」ということを経験しております。2001年の創業当時では全く考えられず、当時の所長からすると、とんでもないことでしたし、初めてそのお話を持って行った際には、顔面蒼白「本当にこんなことをして大丈夫なのか・・」という心配不安で一杯だったことを思い出します。当然その時点でも採算は非常に悪いわけですし、土日も寝ずに働けば何とかなるのではないか等、頭をめぐらせ、苦悩した結果の苦渋の決断でした。

 2020年から顧問契約の解消を経験した後、リソースが足りない為、有力な人材の求人を行うため、顧問契約などの料金の見直しをしました。生活水準ギリギリの底値の顧問契約料金から、一般的な料金水準にあげました。

 怖かったですが、このことより2020年、2021年にかなりの数の顧問契約を減らし、新規顧客の停止をした時期もありますが、売上は、横ばいという推移となりました。

 

【不採算案件の正常化】

 この背景も手伝って2022年分析結果を鑑みて、一軒一軒、料金交渉。末に解約もありましたが半数以上は、料金交渉に応じてくださいました。

 

【現状】

 一方で本当に開業当初からお付き合いがある顧問先等において費用交渉が非常にしづらい背景があります。まだ採算路線に載っていない事業所も残っております。年々交渉しその数を減らしている状況です。

 

しくみアレンジ

運営会社:有限会社ヤマモトオフィス

関連組織:山本社会保険労務士事務所

 

お電話でのお問い合わせはこちら

☎:0791-72-8167(受付時間9:00-17:00/土日祝休み)